カウンセリングとは

方針イメージ

カウンセリングでは、どのようなことをするのですか。

 何も特別なことをするわけではありません。ご相談の問題について一番よくごぞんじなのはあなたですから、あなたが話し手で、カウンセラーは聞き手となって、話し合いが進められます。あなたは、話したいことを話してくださればいいのです。
 カウンセラーはあなたの話に耳を傾けながら、質問をしたり、感想をお伝えしたりして、あなたが問題をとらえなおす手助けをさせていただきます。また、具体的な対応策を提案させていただく(特に、うつ病や不安障害での「認知行動療法」では、次回面接までの課題を提案させていただく)ことになりますが、それを実行してみるかどうかは、あなたが決めてくださればいいのです。

 ただ、カウンセリングでは、多かれ少なかれ、あなたご自身で自分の考え方や行動を見なおし、修正していくという作業が求められます。ですから、壊れた自動車を修理屋さんに預けて直してもらうようなわけにはいきません。カウンセリングをうまく進めて行くには、カウンセラーまかせにするのでなく、あなたの積極的な参加が必要となります。


カウンセリングを受けると、どのような効果がありますか。

  • 話を聞いてもらうだけでも、ずいぶん気分が晴れるものです。

     まず言えるのは、自分の話をそのまま聞いてもらえるだけでも、ずいぶん気が晴れるということです。身近な人に相談すると、その人は親身になってなぐさめてくれたり、励ましてくれたりすることでしょう。それはそれでありがたいのですが、相手が身近な人であるだけに、かえって本音が出しづらかったりもします。

     カウンセリングでは、批判されることも、安易ななぐさめを言われることもなく、話をそのまま聞いてもらうことができます。そしてもちろん、その話はここだけの話として、秘密を守ってもらえます。かんたんなことのようですが、こんなふうに話を聞いてもらうと、それだけでずいぶん気分が晴れるものです。


  • 話をしていくなかで、自分でもあらためて気づくことがあります。

     ひとりで悩んでいたのでは、なかなか考えがまとまらないものです。そうしたとき、だれか話を聞いてくれる人がいると、話しているうちに自分の気持ちがはっきりしてきて、これからの方向が見えてきたりします。

     カウンセラーを相手に話をしても、最初は多少とも緊張したり、警戒したりする気持ちが起こってくるものです。しかし、上に書いたように、批判もされず、安易ななぐさめを言われることもなく、そのまま話を聴いてもらっていると、やがて安心して話ができるようになってきます。そして、こうした対話のなかで、自分の考えていることや感じていることにあらためて気づいていくことになります。

     カウンセラーとの対話を通して、自分が考えていることや感じていることがはっきりしてくると、これから進むべき方向も自然と見えてくるようになります。そして、興味深いのは、ここで思いつく方向は、あなたが相談に来られる前に考えていたものとは、しばしば少し違ったものだったりするということです。


  • カウンセラーと協同して、具体的な対応策を考えることができます。

     当面の問題にどのように対処していくか、カウンセラーからアドバイスを得ることができます。しかし難しいのは、人も違えばそれぞれが抱えている問題も異なっているので、万人共通の対応策は無いということです。もちろんカウンセラーは助言を惜しむものではありません。しかし、それが本当に役立つかどうかを判断できるのは、あくまであなたなのです。ですから、具体的な対応策を見つけるという作業は、あなたとカウンセラーとの協同作業となります。

     カウンセラーからの問いかけや助言を手がかりにして、自らの責任で対応策を選択する。そして、新たな一歩を踏み出し、そこでどのような経験が起こってくるのかをカウンセラーに伝え返す。それをもとに、カウンセラーはまた新たな問いかけや助言を行っていく、というふうにカウンセラーとの協同作業は進んでいきます。


  • 問題を肯定的にとらえなおし、自分らしい生き方を身につけていくことができます。

     何かのことで悩んでいるときは、そこに自分の成長につながる手がかりがひそんでいるとは考えにくいものです。しかし、いかにやっかいで困った問題であっても、見方を変えれば、それは自分を変革し、成長していくための最良の課題でもあるのです。その課題と真剣に向き合っていくことで、これまでの価値観が変わり、より自分らしい生き方を身につけていくことができます。

     自分らしい生き方を見つけるということは、決してやさしいことではありません。それでも、自分の不幸を誰かのせいにして恨み言をくり返したり、自分に言い訳をしてごまかしたりするのをやめ、自分を信頼し、リスクを負いながらも自分の責任で選択していこうとするとき、結果がどうであれ、自分の生き方をそのまま肯定し、喜びを見いだすことができるのです。

FAQ よくあるお問い合わせ

問い:面接時間や面接の間隔はどれくらいですか。
   また、何回くらい通わないといけないのでしょうか。

 1回の面接時間は1時間程度です。ただ、最初の面接では、お話をゆっくりうかがい、これからの方針を話し合ったりするため、1時間半ほどかかります。
 また、面接の間隔は、1週間に1回のこともあれば、月に1回ということもあり、ご相談内容やあなたのご都合に合わせて決めさせていただきます。

 全体の期間、つまり、何回くらいでカウンセリングが終わるかは、相談内容や話の進み方によって異なり、一概には言えません。1回の話し合いで手応えが得られるようなこともあれば、たとえば、うつ病や不安障害の認知行動療法では15回前後の回数が必要となります。

 いずれにしろ、当センターではカウンセリングに要する時間的、経済的な負担を最小限に抑えるため、問題がすべて解決していなくても、改善の手応えがあり、後は自分で何とかやって行けそうだと思えた時点でひとまず終結するようにしています。
 カウンセリングを終えた後、何か話し合いたいことが出てきたなら、またお電話いただければけっこうです。

 

問い:言いにくいことでも、話さないといけないのでしょうか?

 もちろん、その必要はありません。あなたが話してもいいと思われる範囲のことを話していただければ結構です。
 ただ、こんなことを話したらどう思われるだろうかといった心配は、しばしばあなたの思いこみに過ぎなかったりします。せっかくカウンセリングに来られるのですから、少し勇気を出してありのまま話してみることをおすすめします。


問い:秘密は守ってもらえますか?

 カウンセリングでお話しいただいたことについては、かたく秘密を守ります。あなたの同意がないかぎり、たとえご家族の方に対してでも、ご相談の内容はもちろんのこと、あなたがご相談に来られていることも話しません。カウンセリングを受けていることをどこかに報告する必要があるとき、たとえば、勤め先や当センターを紹介してくれた専門機関への報告などが必要なときは、カウンセラーにお伝えください。

 ただし、あなたが自分自身や他の人を傷つけたりする恐れがあるとき、また明らかに法に触れるような行為については、ご家族の方などに連絡させていただく場合があります。そのようなときは、必ずまえもってあなたと話し合うようにします。

 また、カウンセリングを適切にすすめていくために、他の専門家の意見を聞くようなことがあります。そうした際には、個人が特定されるような情報については、かたく秘密を守ります。

 

問い:薬を飲みながらカウンセリングを受けることはできますか?

 服薬しながらカウンセリングを受けることには、何も問題ありません。うつや不安感が強い場合、まずは薬を飲むことで症状を抑えてからの方が、落ち着いてカウンセリングを受けることができるかもしれません。薬を飲むことが役立ちそうな場合、カウンセラーの方から服薬をおすすめするようなこともあります。

 また、こころの問題で通院中の方は、カウンセリングを受けることが役立ちそうかどうか、まえもって主治医の先生に相談してみられるのもいいでしょう。

 

問い:子供や家族のことで相談に行くとき、本人も一緒に連れて行かないといけませんか?

 ご本人もいっしょに来てくださる方が望ましいのですが、必ずしも連れてこなければいけないわけではありません。ご本人が相談に来るのをいやがるようでしたら、まずは、ご家族の方だけでおこしください。
 また、お子さんのカウンセリングを行うときは、毎回ではないにしても、保護者の方との面談もお願いしています。